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  • 執筆者の写真chochong

「よかったね」が「よかった!」に

2000年6月と2007年10月。

学校でスクリーンを通して見た歴史的な瞬間は、自分とは無関係の出来事だった。

先生は喜びもあらわに「目前に広がる統一」と「私たち同胞の生活」の繋がりを教えてくれたが、頭では理解できても心にとっては一向に「無関係」だった。これを「無関心」というのだろう。

ただ、無関心ながらも、嬉しそうなオモニや先生たちの様子を見れば自分まで嬉しくなり、「よかったね」と思っていた。

そして2018年。

板門店で交わされた握手に、自然と涙がこぼれた。

届くはずのない拍手を、画面に向かって必死で送っていた。

今までとは全然違う自分の反応に、自分自身が一番驚いた。

正直はっきりとした変化の経緯は言えないし、学術的に意義を述べよと言われても「凄い」以外で表現できる自信もないけれど、ただただ目の前の出来事が嬉しい。

トンムと冗談半分で話していた南への旅行計画が実現するかもなんてわくわくして、とにかく誰かに話して一緒に騒ぎたいとうずうずする。

単純に捉えすぎだと言う人もいるかもしれない。でも私は、自分が喜びで興奮している時に「あれこれがこうなってこうなったからこういう可能性が生まれて嬉しいです」なんて言える気がしない。

心から喜んでいる時とはそういうものなのかも知れない。

うまく説明できなくても良い、ただ単純に嬉しいと思えた感情こそが、一番大事な一歩だと思う。

もちろん浮かれてばかりはいられないし、こんな時代だからこそ朝青がやらなきゃいけない事はどんどん増えるだろう。

でも今はこの瞬間を喜びたい。この瞬間を一人でも多くの同胞と分かち合いたい。

よかった!よかった!

本当によかった!

​(2018.9.26 趙)

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