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  • 執筆者の写真chochong

いま、伝えたいこと

今日は《慰安婦》問題について少し触れてみたいと思う。


金福童という一人のハルモニがいた。

ハルモニは日本軍性奴隷として戦場に連れ出された被害者女性の一人だ。


1940年、彼女は満14歳の年齢にして戦場に連れ出された。

多くの被害者らは故郷の地を再び見ることがかなわなかったが、彼女は生きのび、戦後8年ぶりに故郷へと帰ることができた。

生きのびた被害者の中では匿名で生活する人が大多数であったが、彼女はその中でも信念を貫き通し、数多くの被害者達の象徴となったのだ。

それから金福童ハルモニは人権・平和活動家となり日本国の心からの謝罪と補償を求めて闘ってきた。

日本軍《慰安婦》問題だけではなく、武力紛争中に蔓延していた性暴力問題を解決するために平和運動を先導していた。


そんな彼女が今年の1月28日逝去された。


彼女は生前、毎週水曜日には街に出て学生や市民らに会い、みんなが平和に暮らせる社会を作ろうと訴え続けた。日本の活動家や世界各地の活動家たちに二度と性暴力被害者を作らない世界にするため努力していこうと激励し続けた。


彼女は目を閉じる前《日本軍〈慰安婦〉問題解決のために最後まで闘ってほしい。》、《在日朝鮮学校の子供達の支援も自分の代わりに最後まで続けてほしい。》と最後の願いを残しこの世を去ったという。


彼女は日本政府が《高校無償化制度》を施行しながらもウリハッキョだけを除外するという差別を受け、学生達に《同じ朝鮮人だ》と他の誰よりも思いを寄せ、大阪の不当判決報告集会まで足を運び同胞を鼓舞し、次の日には台風被害を受けたウリハッキョに行き激励の挨拶まで述べた。

去年には入院中だったにもかかわらず朝鮮学校の為と300万円、退院後には200万円をさらに寄付された。


私がなぜこの話をするのかというと、


こんなハルモニがいたのになぜ自分は今まで知らなかったのだろう。

いや、知っていたはずなのになぜこんなにも無関心だったのだろう。

なぜ亡くなった今になって気付いたのだろう。

そんな自分への苛立ちのためである。


そんな私のような人が少なからずいると思う。

今、日本ではいろいろと都合のよろしい話が出回っているようだが、

それよりも、

この問題を知らない人が何人いるだろう。

他人事のように避けている人がどれだけいるだろう。

今となって。だが、私も共に闘っていきたいと思う。


そして今までの自分のような人がいたら


一緒に闘おう


と伝えたい。


その一歩としてこの記事を綴る。


(2019.2.6 柱)

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